HTML で文章を書き始めると、まず最初に出てくるのが見出し(hタグ)段落(pタグ)です。

見出しはページの”タイトル”や”区切り”をつくり、 p タグはその下に続く文章をまとめるための、もっとも基本的なタグです。

このページでは、 h1 〜 h6 の違いや使い分け、 p タグの正しい使い方、 br タグとの違いなどを、初心者でも迷わないようにやさしく解説していきます。

最後には、見出しと段落だけでできる”シンプルな記事ページ”も実際に作ってみましょう。

目次 [ open ]

見出しタグ(h1〜h6)ってどんな時に使うの?

Web ページには、本や新聞と同じようにタイトルや小見出しが必要です。

その見出しを作るのが h タグ( heading :見出し) です。

数字が小さいほど大きく、数字が大きくなるほど小さな見出しになります。

見出しタグとは?

h タグは文章の中で「ここから新しい話題だよ」と示すための”区切り”です。

<h1>タイトル(大見出し)</h1>
<h2>この記事の大きな項目</h2>
<h3>細かい説明</h3>
HTML

ブラウザで見ると、 h1 > h2 > h3 の順にだんだん小さくなっていくのがわかります。

数字によって意味が変わる

h タグは h1 〜 h6 まであり、数字によって役割が次のように変わります

タグ意味よく使う場面
h1ページのタイトル記事のタイトル・サイト名
h2大きな区切りセクション(章)のタイトル
h3h2 の中の小見出し補足説明・小見出し
h4 ~ h6さらに細かい見出し初心者はほぼ使わなくて OK
タグ意味よく使う場面

まずは h1 ・ h2 ・ h3 を使いこなすだけで問題ありません。

見出しタグを使うと読みやすさが一気に上がる

ただ文章だけを書き続けると、どこが区切りかわかりにくくなります。

そこで見出しを入れると

  • 読者が読みやすくなる
  • 情報が整理される
  • ページ全体の構造がわかりやすくなる

というメリットがあります。

HTMLは”意味を伝える言語”なので、見出しを正しく使うとページ全体の質も上がります。

使い分けのイメージ(シンプル版)

  • ページのタイトル
    • h1
  • そのページの大きな項目
    • h2
  • h2の中の小さな説明
    • h3

これだけ覚えておけば OK!

ここまでのまとめ

  • 見出しは h1 〜 h6 の6種類
  • 数字が小さいほど重要で、大きく表示される
  • よく使うのは h1 〜 h3
  • パソコンの本と同じように”章 → 小見出し → さらに細かい説明”という構造をつくるためのタグ

h1は1ページに1つだけ?その理由をわかりやすく解説

HTML にはたくさんの見出しタグがありますが、その中でも h1 は特別な見出しです。

よく言われるルールが、h1 は1ページに1つだけ

これは”なんとなく決まっている”わけではなく、ページの意味や構造を分かりやすくするために大切なルールです。

h1は”ページのタイトル”だから1つで十分

例えるなら、本のタイトルが1冊に2つあったら困りますよね。

  • タイトル:HTMLを学ぼう
  • タイトル:CSSを学ぼう

こんな感じで2つあると、「どっちの本?」となってしまいます。

Webページも同じで、このページはいったい何について書いてあるのか?を伝えるのが h1 の役割です。

だから1つだけにするのが自然なんです。

h1が2つ以上あると、ページの“主役”がわからなくなる

次のように h1 が2つあるとします

<h1>プロフィール</h1>
<h1>私の趣味</h1>
HTML

人間が読んでもややこしいですが、ブラウザや検索エンジンにとっても混乱のもとです。

  • ページの主題がどれかわからない
  • 情報の優先順位がつけにくい

という状態になってしまいます。

検索エンジン(SEO)的にも意味がある

Google などの検索エンジンは、ページの h1 を見て“このページのメインテーマ”を理解します。

だから h1 はひとつのテーマを示すために 1ページ1つ が基本。

複数あると、”このページは何を説明しているのか?”が曖昧になります。

では、他の見出しはどう使う?

  • 大きな区切り
    • h2
  • 小さな説明
    • h3
  • さらに細かくしたい時
    • h4 〜 h6 (初心者は無理に使わなくてOK)
  • h1 を”ページのタイトル”
  • h2 を”章タイトル”
  • h3 を”その中の小見出し”

というイメージで使えば、自然と読みやすい構造になります。

h1 は CSS で自由にデザインできる

「h1 が大きすぎて使いづらい…」という初心者は多いですが、安心してください。

CSS で好きなサイズに変えられます

h1 {
  font-size: 24px;
}
CSS

大きさは関係ありません。

役割として”ページのタイトル”なら h1 を使うということが大事です。

ここまでのまとめ

  • h1 はページタイトルだから1ページに1つ
  • 2つ以上あると「どれが主役?」となってしまう
  • 検索エンジンも h1 を見てページ内容を理解する
  • サイズは CSS で自由に変えられる
  • h1 / h2 / h3 をうまく使い分けると読みやすいページになる

pタグ(段落)の基本とよくある失敗

文章を書くときにもっともよく使うタグが p タグ です。

見出し( h タグ)がタイトルや区切りなら、 p タグはその下に続く”本文”を書くためのタグです。

まずは基本から見ていきましょう。

pタグは”文章のまとまり”を作るタグ

次のように書くと、1つの段落(パラグラフ)ができます

<p>これは1つ目の段落です。</p>
HTML

HTML では、文章のまとまりを p タグで包むことで、読みやすく整った文章を作れます。

文章を複数書くときは、pタグを分けて書く

<p>今日はいい天気です。</p>
<p>明日は出かける予定です。</p>
HTML

ブラウザで表示すると、段落ごとに自然な余白が入るので、読みやすくなります。

brタグとの違いを理解しよう(初心者がよく迷うところ)

  • p タグ
    • 文章の”まとまり”をつくる
    • 上下に余白がつく
    • 新しい段落として扱われる
  • br タグ
    • 文章の途中で改行したいときに使う
    • ただ1行下に移動するだけ
<p>
  こんにちは。<br>
  よろしくお願いします。
</p>
HTML

ここでは文章はひとつの段落だけど、途中で改行したい、というケース。

用途が違うので、慣れてきたら使い分けられるようになります。

初心者がやりがちな書き方ミス

pタグを閉じ忘れる

<p>文章です。
<p>次の段落です。</p>
HTML

閉じ忘れた段落がどこまで続くかわからなくなり、レイアウトが崩れる原因になります。

pタグの中に見出し(hタグ)を入れてしまう

<p><h2>タイトル</h2></p>
HTML

これは HTML の構造として NG 。

見出しは段落の”外側”に置くのが正しい形です。

brタグだけで段落を作ろうとする

こんにちは。<br><br>
明日もよろしくお願いします。
HTML

画面上は段落っぽく見えるのですが、意味としての”段落”が作られないので避けましょう。

正しくは

<p>こんにちは。</p>
<p>明日もよろしくお願いします。</p>
HTML

CSSで段落を読みやすくする(おまけ)

行間を少し広げるだけで、文章が一気に読みやすくなります

p {
  line-height: 1.6;
  color: #333;
}
CSS
このコードでなにをしているのか
  • line-height で行間を1.6に
  • #333 で文字色をやさしい濃いグレーに

初心者でも効果がわかりやすい組み合わせです。

ここまでのまとめ

  • p タグは”文章のまとまり”を作るタグ
  • 文章が変わるなら p タグを分ける
  • br は段落ではなく”改行”
  • p タグの閉じ忘れはレイアウト崩れの原因
  • 見出し( h タグ)と混ぜない
  • CSS で行間を整えると読みやすくなる

brタグで改行する方法

文章を書いていると、「ここだけ1行下にしたい」という場面がよくあります。

そんなときに使うのが br タグ

br タグは「 line BReak (ラインブレイク)」の略で、“ただ1行改行するだけ”のシンプルなタグです。

brタグの書き方はとても簡単

br タグは開始・終了がない単独で使うタグです。

こんにちは。<br>
よろしくお願いします。
HTML

これだけで1行下に移動します。

“段落を分ける”のではなく”行を分ける”だけ

初心者が混乱しやすいポイントなので、p タグとの違いをもう一度まとめると

  • pタグ
    • 段落(文章のまとまり)を作る
    • 上下に余白がつく
    • 構造として“意味”がある
  • brタグ
    • ただ1行下げるだけ
    • 段落にはならない
    • 軽い改行に使う

brタグがよく使われる場面

住所や短い情報を改行したいとき

<p>
  東京都〇〇区〇〇1-2-3<br>
  サンプルマンション 101
</p>
HTML

挨拶文など、自然に1行空けたいとき

<p>
  こんにちは。<br>
  今日もよろしくお願いします。
</p>
HTML

ボタン内の文字を2行にしたいとき(応用)

<button>お問い合わせ<br>はこちら</button>
HTML

この使い方は後のレッスンで登場します!

brタグを使いすぎると逆に読みづらくなる

br タグは便利ですが、段落の代わりに br を連打するのは NG です。

こんにちは。<br><br><br>
今日もよろしくお願いします。
HTML

画面上は段落っぽく見えますが、HTML 的には”どこが段落かわからない”状態。

文章のまとまりを作りたいなら必ず p タグ を使いましょう。

brタグは閉じタグなしでOK?

はい、大丈夫です。

HTMLでは brタグは単体で書くのが基本です

<br>
HTML

XHTML では <br /> と書く時代もありましたが、今の HTML5 ではどちらでも表示されます。

<br> で OK です。

ここまでのまとめ

  • br タグは”1行だけ改行”するときに使う
  • 段落を作るのは p タグ、改行は br タグ
  • br タグを連発して段落代わりに使うのは NG
  • 覚えることは <br> だけでOK

見出しと段落を使ってシンプルな記事ページを作ろう

ここまでで、

  • 見出し(h タグ)
  • 段落(p タグ)
  • 改行(br タグ)

が使えるようになりました。

これらを組み合わせれば、とてもシンプルな記事ページが作れるようになります。

「 HTML で記事を書くってこういうことなんだ」と実感できる回です。

まずはHTMLだけで記事ページを組み立ててみよう

index.html に次のように書いてみてください

<h1>今日の散歩日記</h1>

<p>今日は久しぶりに近所の公園まで散歩に行きました。</p>

<h2>公園についた感想</h2>
<p>思ったより人が少なくて、ゆっくり歩くことができました。</p>

<h2>見かけたもの</h2>
<p>
  公園ではきれいな花が咲いていて、少しだけ写真も撮りました。<br>
  また来たいと思える、気持ちのいい場所でした。
</p>
HTML
このコードでなにをしているのか
  • h1 :記事全体のタイトル
  • h2 :大きな項目(章)のタイトル
  • p :その説明文
  • br :文章の途中で少し改行

もうすでに”記事ページの形”になっているのがわかります。

次にCSSで少しだけ読みやすくしてみよう

style.css に次のコードを追加します

body {
  font-family: sans-serif;
  line-height: 1.7;
  color: #333;
  max-width: 700px;
  margin: 0 auto;
  padding: 20px;
}

h1 {
  font-size: 28px;
  margin-bottom: 20px;
}

h2 {
  margin-top: 30px;
  font-size: 22px;
  color: #444;
}

p {
  margin-bottom: 16px;
}
CSS
このコードでなにをしているのか
  • 全体の読みやすさ(行間・フォント)を整える
  • 幅を少し狭めて文章が読みやすいレイアウトに
  • 見出しに余白をつけてメリハリを出す
  • 段落間にほどよい余白をつける

これだけで”ブログ記事っぽさ”が一気に出ます。

ブラウザで見てみよう

index.html を開くと……

シンプルなのに読みやすい記事ページが完成しています

“見出し → 説明文 → 見出し → 説明文”という構造がとても自然に見えるはずです。

HTMLだけのやつとCSSを追加したやつの比較

左が HTML だけのやつで右が CSS を追加したやつです。

よくあるつまずきポイント

  • 見出しの順番を飛ばしてしまう
    • 例: h1 → h3 → h2 のようにランダムに使う
    • 見出しの”階層”が崩れてしまいます。
  • pタグを閉じ忘れてレイアウトが崩れる
  • CSS が反映されない
    • リンクタグのパスが間違っていることが多い

少し変えるだけで記事の雰囲気が変わる(アレンジ自由)

  • h1 の色を変える
  • フォントサイズを大きくする
  • 行間をもっと広げる
  • h2 の下に線を引く

など、ちょっと変えるだけでページの印象が変わります。

h2 {
  border-bottom: 2px solid #eee;
  padding-bottom: 4px;
}
CSS

こんな風に線を入れるだけでも整理された記事に見えます。

ここまでのまとめ

  • 見出し( h タグ)と段落( p タグ)を組み合わせると記事ページが作れる
  • h1 → h2 → p の順で並べると自然な構造になる
  • CSS で少し整えるだけでグッと読みやすくなる
  • 見た目を変えるアレンジはいつでも OK

今日できたこと&次のステップ

この章では、見出しタグ( h タグ)と段落タグ( p タグ)を中心に、 HTML で文章を書くための基本をしっかり身につけました。

「ページの構造が少しずつ理解できてきた!」と感じられたら、それだけでも大きな一歩です。

できるようになったこと
  • h1 〜 h6 の違いと役割がわかった
  • h1 が”1ページに1つだけ”の理由を理解した
  • p タグで文章のまとまりを作れるようになった
  • br タグで軽い改行ができるようになった
  • 見出し + 段落を組み合わせて、シンプルな記事ページを作れた
  • CSS を少し加えるだけで記事が読みやすくなることを体験した

文章の”タイトル → 中見出し → 説明文”という構造が、 HTML でも同じように作れる、という感覚がつかめていれば OK です。

確認問題

ページのタイトルに使うべきタグはどれ?

  1. <h1>
  2. <h3>
  3. <p>
答え

答え:1. <h1>

次の文章を正しく段落にしたいとき、正しい書き方はどれ?

今日はいい天気です。

明日は雨かもしれません。

<!--A-->
<p>今日はいい天気です。<br>明日は雨かもしれません。</p>
<!--B-->
<p>今日はいい天気です。</p>
<p>明日は雨かもしれません。</p>
HTML
答え

答え: B

解説:文章のまとまりは p タグで分ける

文章の途中だけ1行下にしたいときに使うタグは?

答え

答え: <br>

次は”強調・装飾(strong・b・em・i)”に進もう

次の章では、 strong / b / em / i の違いなど、”文章を装飾したり強調したりするタグ”を扱っていきます。

  • 太字にする
  • 重要な部分を強調する
  • 文章のニュアンスを伝える

といった、文章表現がグッと豊かになる内容です。

ここまでの理解で次に進む準備はバッチリなので、この調子で一緒に進めていきましょう!